圧縮機・蓄圧器無しで、FCフォークへフル充填可能な「ベルステーションmini35」販売開始
鈴木商館は、燃料電池フォークリフト(FCフォーク)用の簡易水素充填機「ベルステーションmini」に45MPaで充填された専用の水素カードルを接続する「ベルステーションmini35」を開発し、 2月26日~28日の三日間、東京ビッグサイトで開催された「水素・燃料電池展 FC EXPO」に出展、展示ブースで 「ベルステーションmini35」 によるFCフォークへの充填デモンストレーションを行った。
「ベルステーションmini35」 は従来型のFCフォーク向け水素ステーションに比べて大幅なコストダウンを実現し、35MPaまでのFCフォークのフル充填が可能な新製品となる。1回約3分の水素充填でFCフォークを電動フォークリフトと同等の約8時間連続運転ができる。
簡易水素充填機は、比較的小規模で稼働時間の短いFCフォークの運用に適した水素充填設備で、一般的な水素充填設備で使用される水素を高圧にするための圧縮機や、45MPaに圧縮された水素を貯蔵するための蓄圧器を使用しない。あらかじめ水素を45MPaで充填したカードル容器から、FCフォークへ「ベルステーションmini35」を接続して圧力差により充填を行う。圧縮機や蓄圧器が無く、小型・軽量なため充填場所への移動が可能で、装置設備のための費用も一般的な水素充填装置にくらべて大幅なコストダウンとなる。
これまで鈴木商館では 、一般的な19・6MPaで水素を充填したカードル容器を使用する簡易水素充填機 「ベルステーションmini20」 を販売していたが、FCフォークへ満充填ができないため稼働時間が短かった。
今回、35MPaまでの満充填が可能な「ベルステーションmini35」を開発したことで、FCフォークの連続稼働時間を電動フォークリフト並みに延ばすことができ、より効率的な運用が可能となった。ノズルの脱着以外は、充填開始のボタンを押すだけの簡単操作などは 「ベルステーションmini20」と 変わらないが、充填ノズルのあるディスペンサー部分と操作を行う制御部分で構成される水素充填機は、移動用のキャスター付の黒の機体に銀色のハンドルが付いた洒落たデザインが採用されている。